CDやCD-RなどCD系統の光ディスクは、プラスチックの板に薄い記録体を貼り付けてあるだけというシンプルな構造となっております(最近製造されたものは記録体保護のためのコーティングが施されています)。
従って研磨の余地は十分にありますが、逆にラベル面からのダメージに弱いという特徴があります。
弊社にご依頼いただく際には、一度ラベル面を光源側にして透かしてご覧になることをお勧め致します。盤面に光が漏れてきている部分がありましたら、そのディスクは残念ながら記録体自体が傷んでおりますので研磨での復旧は不可能です。レンタル落ちの音楽CDなどには特にお気をつけ下さい。
ただし、SACDは全く別の技術ですのでここで延べておりますCDとは異なります。
DVDやDVD-R、DVD+RなどDVD系統の光ディスクは、厚さがほぼ等しい2枚のプラスチックで記録体を挟んだ構造になっております。ラベル面・読出し面双方からのダメージに比較的強いディスクです。
研磨による再生可能性も高いディスクですが、中心の穴にはご注意下さい。構造上、2枚のプラスチック板の間にごく僅かの隙間が空いています。外周部は隙間を閉じてありますが中心の穴は通常この隙間が塞がれません。従いまして濡れた手で触れてしまうなどのことが起こった場合、この隙間に水が残り、カビを発生させることになります。
ディスクの中心部分には「目次」のようなものが書かれており、読み出しはこの部分を参照して行なわれるため、記録体で侵食されてしまうと読み出すことができなくなります。
そのような場合には、弊社のデータ復旧サービスのご利用をご検討下さい。
BD系統の光ディスクは、ごく薄く硬い材質で作られたハードコート層の直下に記録体があり、読出し面の反対側に厚い保護層がある構造になっております。読出し面を守る層が薄いため、保護層のコンディションに読み書きが影響されにくいという特徴があります。
保護面が薄く硬いため、研磨できる余地はかなり少ないディスクになります。映像BDの場合、目で見てはっきりと確認できる傷がついてしまったらもう研磨再生は不可能だとお考え下さい。視聴中に「盤面を目で見る限り傷は見られないけれども、同じところで止まるな」とお感じになるレベルが研磨で再生できる限界であると言えます。
DVDの中にも、最近になりハードコートが施されたものが出回るようになっております。これはBDで確立されたハードコートという技術をDVDにも取り入れたもので、収録できる映像の長さ等は通常のDVDと同じですが、傷がつきにくいように読出し面にハードコートを施しています。
傷がつきにくいようになったのは改良であることは間違いありませんが、残念ながらそれは裏を返せば傷がついてしまったら周辺を均等に削って平らにするという加工が極めて困難であることを意味します。
研磨で再生できる可能性はBDと同様にお考え下さい。